ブライドルレザーのタンナーの話

ブライドルレザーの製造業者について書いてます。

◆どこがおすすめ?

ブライドルレザー財布を探していると、「こちらはどこどこが製造したブライドルレザーです」みたいな説明が記載さてることもあります。

正直、もう少しその特徴や採用理由も書いて欲しいと思うこともしばしばです。^^;

しかし、実際にその特徴を書いたところで結局、ブライドルレザーその物の特徴の域を出てないことがほとんどです。

タンナー固有の特徴を言葉だけで説明するのは非常に難しいと言うことなんだろうと思います。

やはり実際に触ったりして比べるしかないと言うことになります。^^;

それが出来れば、苦労しないよっと言うことなんですが、ひとまず、分りやすい違いだけ調べてみました。

 

まずは英国タンナーの紹介から。

セドウィック社、クレイトン社、トーマスウェア社、グレートレザー社、ベイカー社。

このあたりが有名なタンナーさんかと思います。

 

日本では、セドウィック社を採用してるところが非常に多いですね。

歴史ある名門タンナーでブライドルレザーの定番と言えるかと思います。

セドウィック社は、正式には仕上げの専門屋さんで、大元の革は、後で紹介しますトーマスウェア社などから仕入れています。

ちょうど良いブルーム感とブルームが落ちた後の光沢感が美しく無難なブライドルレザーと言えるかと思います。

特に迷わず選んで頂いても問題はないでしょう。^^

 

<セドウィック社製を採用してるブランド>

ブリテッシュグリーン ガンゾ FESON CORBO.ホワイトハウスコックス(イギリス)など

 

続いて、クレイトン社。

創業は1860年ですが、技術は400年以上前から受け継がれてきたと言う大変ビッグなタンナーです。

英国では、唯一、コードバンも作っています。

こちらのブライドルレザーは、ブルームが少なめになっています。

品が良いと表現されたりもしますが、ブルームと言えば、ブライドルレザーの代名詞ですので、この点をどう捉えるかでしょうかね。

ブライドルレザーの中では、比較的柔らかい特徴もあります。

 

<クレイトン社製を採用してるブランド>

leather-gエルゴポック など

 

逆に、トーマスウェア社、グレートレザー社は、ロウ、ワックスが大量に染み込んだものになっており、霧が覆ってるがごとく大量のブルームが出ています。

トーマスウェア社は、英国内の最高品質の原皮を元に一年かけて蝋を染み込ませる伝統的な製法を取っており、品質の高さに定評があります。

2018年には、イギリスのビジネス界で最も名誉のある英国女王賞を受賞しました。

 

一般的にブライドルレザーは、硬いレザーでひび割れが起きやすいと言われますが、トーマスウェア社の場合は、大量のロウの影響で柔軟性があり、ひび割れ現象が見られないと言う評価もあるようです。

 

ブルーム現象が好きでブライドルレザーを選ぶ方も多いと思いますので、こちらの2社は楽しめるかもしれません。

 

<トーマスウェア社製を採用してるブランド>

グレンフィールドVEOL ココマイスター など

※ココマイスターのタンナーは、非公表ですが、取引してるタンナーが2018年度の英国女王賞を受賞したとのアナウンスがありましたので恐らくですが、トーマスウェア社だと思います。

受賞パーティーでは、出席したケント公爵エドワード王子にそのタンナーの代表レザーとしてココマイスターの製品がプレセントされたとのことです。

 

<グレートレザー社製を採用してるブランド>

yuhaku (Tourbillonシリーズ) など

 

ベイカー社は、イギリス内で唯一、伝統的なオークバーク(樫の木の樹皮)から抽出したタンニンを使用し、一年以上の時間をかけて作られます。

ブライドルレザーの特徴であるブルームは、あまり見られませんが、時間をかけてる分、たっぷりと芯までロウが染み込んでおり、強い張りのあるレザーとなっています。

供給量が少なくレアな素材かと思います。

 

<ベイカー社製を採用してるブランド>

ワイルドスワンズ など

非公表ですが、ココマイスターのオークバークシリーズ もベイカー社製かな?と思います。

 

 

以上、ざっくりですが、各タンナーについては、こんな感じです。^^;

 

タンナーによる違いのポイントは、染め込ませるロウやワックスの量にあると思います。多い少ないがあるようなので、ブルーム現象への影響に違いを感じました。

 

イギリスのブライドルレザーは、大元はクレイトンやトーマスウェアなど大きいところで製造され、セドウィック社が仕上げるという流れがあるようです。

国内では8割近くがセドウィック社のブライドルレザーを使用してると聞きますが、この流れから行けば納得できる話になります。

 

◆エイジング重視でお探しの方は、是非、読んでみてください。(サンプル画像も掲載)
⇒当サイトのお勧め!ロンドンブライドルシリーズの魅力を語ってみた

 

◆補足

一口にブライドルレザーと言っても大きく2か所の部位から製造されてます。

肩周りのショルダーと背中周りのベンズ部分です。

財布では、ショルダー部分を使用したブライドルレザーが多いようです。

ベンズの方は、最高部位とされ、繊維のキメが細かくさらさら感と重厚感のあるブライドルレザーになります。

 

<ベンズのブライドルレザーを採用してるブランド>

yuhaku (Tourbillonシリーズ) など

 

またさらに、レザーのコンディションで値段も上下します。

まちまちのブライドルレザー財布の価格もこのあたりの背景が要因の一つになっているかと思います。

一部のブランドでは、どこのタンナーのブライドルレザーを使用してるかをしっかり明記していますが、部位までは少ないと思います。

なかなか判断が難しく、こだわるなら購入前に質問してみるのも有りかと思いますよ。

 

 

◆2種類のレザーで驚きのエイジングが楽しめる!(サンプル画像も掲載)
⇒当サイトのお勧め!ロンドンブライドルシリーズの魅力を語ってみた